「薔薇門」、寺山修二が企画し、J.A.シーザーが音楽を手がけた、おかまによるおかまのためのLPなのです。 あのゆらゆら帝国の坂本氏を筆頭に、多くのアーティストが絶賛し、サイケデリック史上に残る名盤と言われているとか。専門店の価格は24万円です。
内容のほうですが、お馬鹿かと思いきや社会的な要素が強く、社会からのけ者にされるおかま達の苦しみや怒りを歌ったものが多いです。いろいろと考えさせられますね。 しかし最後の「君は答えよ]という曲、男娼の喘ぎ声が響く中、シーザーのシャウト、「君は答えよ!世界の終わりが明日だとしても、君の生き方が自由だったと本当に言い切れるのか!」 そこにおかまのアジテーションが加わり、盛り上がりは最高潮に・・・!彼(彼女?)が一層力強く叫びます、「君は答えよ!答えよ!!答えよ!!!」
・・・もうね、この叫び方がものすごく間抜けなんです・・・。どうしようもなく。本人至って真剣なのに・・・。 この部分で今まで築き上げてきたものが、台無しになっています。
おかま・・・女にも男にもなりきれない彼等はコミカルなようで、悲しさを秘めた存在です。 まさにこの曲は、そんなおかまの悲しい性を物語った、最後を飾るにふさわしい1曲と言えるのではないでしょうか。 「薔薇門」・・・哀愁漂う名盤です。 これほど馬鹿馬鹿しく、破綻している最高のレコードを私は知りません。そして、私の個人的なコレクションからの放出です。 盤がEX- 台詞を喋っているときにノイズが入る部分あり。B面のA-1にに周期的なノイズを拾ってしまう。ジャケットがEX(+)インナー付きですが、ゲイ新聞と、歌詞カードのうち歌詞カードには若干やぶれあり。ゲイ新聞=EX 歌詞カード=VG |