これは凄いアルバムだ!1974年3月発表の本作は三上寛の最高傑作の一枚であり、日本のパンクロック、オルタナティヴ、通底する、最も初期の実験的試みである。演歌フォークと呼ばれた三上の世界に美しいメロディーをもたらしたアーリータイムズ•ストリングスバンドやディランⅡ、山下洋輔がバックに布陣しており、A-1.A-2.や叙情性、古沢良次郎のコンガと組んだSAMBAの曲も良いが、なんといってもFREE JAZZの坂本明のアルトサックスと三上の歌詞がせめぎ合うB-2が素晴らしい。「なんてみっともない人類の平和なんだ」と叫ぶこの作品には「絶望的な痛さ」が溢れ出している。日本のアンダーグラウンドの懐の深さがどれだけ深いかは、このLPを聴けばわかる筈だ卍
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