オーストラリアが誇る水中撮影の名手:RON & VAL TAYLOR夫妻が、1972年~1973年の間に13個のFILMを製作/発表したカルトドキュメント番組”INNER SPACE”。スコアを担当するのは、オーストラリア産のライブラリーを掘っている方にはもはやお馴染みの存在であるノルウェー出身の鬼才:SVEN LIBAEK。地元のテレビ業界ではかなりの売れっ子だったこのSVEN LIBAEKは、ピアニスト:JUDY BAILEYのアルバムプロデュースに抜擢されるなどの経歴を持つ間違いのない才人。この作品にはその敏腕振りが余すことなく投影されています。ビブラフォン・フルート・ワウギターの3つを主軸に置いたメロディー構成と、4ビート・ワルツ・ファンク・ロックなどあらゆるリズムを消化しつつもでしゃばり過ぎないボトムのコントラストはもはや天才としか言いようがありません。SVEN LIBAEKの紡ぎ出す抑制の効いたアシッドなグルーブを感じていると、まるで自らがオーストラリアの美しい海底にたゆたって行き交う海洋生物達を眺めているかの様な、そんなサイケデリクな錯覚に陥りますよ。聴けば聴くほど侵される。地味だが危険な一枚。 |