絵をかくように、即興的にひとりで描き出した細野の頭の中は白いくも青い空と木々があった。自分がイミュレイターを駆使しての正真正銘のSolo Album。Yellow Magic Orchestraが自分の中で終わった、という彼の思考にあった。だからこのLPを制作したようだ。「夢の山岳地帯」 のそのあとで感じさせる「PICNIC」は「HUKURI HUNIKURA」に始まる。影のあるダンスビート。そして、セクシャルでフィジカルな表現が昇華している。電子音楽と、丁寧このうえない Inner Tripを違う角度から見ると、極端にPOPなこのLPの本質が見えてくる。現代音楽までPOPSにしてしまう音楽家は日本で細野晴臣しか思い当たらない。リズムの実験は一人作業だからこそ多彩なものです。
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